副作用の心配なし合わせ技で一本! でもニンジン!?
漢方生薬の代名詞として、誰もがすぐに思い浮かべるのが「高麗人参」です。日本では、オタネニンジンの名を持つ高麗人参は、いわゆるふつうのニンジンとは異なり、ウコギ科の多年草。その学名は「Panax Ginseng」。Panaxとはギリシャ語の、Pan(すべて)、acos(薬)に由来し、まさに万能の医薬品というわけです。
漢方の古典「神農本草経」では生薬を薬効から上・中・下の3つに分類していますが、高麗人参に代表される上薬は、体質の正常化を図り寿命を延ばすとされ、多量または長期にわたって服用しても副作用がないものを指します。
ということは、持続的な効果や虚弱体質の改善が期待できる高麗人参と、牡蠣のように即効性の望める生薬とを組み合わせれば、それぞれの長所を生かした相乗効果を引きだすことも可能!これも高麗人参が上薬であるがゆえのメリットなのです。
高麗人参の回復効果の秘密相反するジンセノサイド
高麗人参の薬効を支える主要成分は、サポニンと呼ばれる物質群。とりわけ興味深いのがジンセノサイドです。高麗人参からは、30種類以上のジンセノサイドが見つかっていますが、それらは、ジオール系とトリオール系の大きく2つに分けることができます。動物実験から、ジオール系は中枢神経を沈静化させるように作用する一方で、トリオール系は正反対に興奮的に働くことが分かっています。
精子の数まで増えちゃう!サポニンの八面六臂な活躍
最近の研究では、これらサポニンには、抗腫瘍効果や免疫力の活性化、血管拡張作用、中性脂肪やコレステロールを低下させる力があることが分かっています。また、牡蠣と高麗人参の抽出物をつかった男性不妊予防の臨床効果を確認する研究なども進められており、精子の数や運動量の大幅な増加が確認されています。食品由来の天然の生薬から、これほど画期的な成果が得られるのかと、今、大変注目されているのです。
サポニンがもっとも多くなるのは…キーワードは「6年根・紅参」
驚くべき効果を発揮する高麗人参ですが、サポニンの量や質は、栽培年数や加工法によって左右されます。高麗人参に含まれるサポニンの量・種類・バランスがもっとも優れていると言われるのが、栽培年数にして6年目のもの。さらに、サポニンは皮の部分により多く集まっているため、皮の部分を残したまま加工する「紅参」が、理にかなっていると言えるのです。
高麗人参は、自然が育んだ最高のクスリ。せっかくなら、こうしたポイントをよく理解して、余すことなく健康管理に役立てたいものです。
また、最近では、男性の不妊予防・治療(精子数の増加)に高麗人参(サポニン)と牡蠣(ペプチド)の配合製剤に高い成果が認められますます期待が高まっています(日本、アメリカ、ヨーロッパなどで特許出願中)。
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