デザイナーフーズの頂点、ニンニク
			強い抗酸化作用が期待の「アホエン」

　食品が持つ生理調節機能と病気の関係に着目し、アメリカ国立ガン研究所（NCI）が、免疫機能を高め、制ガン効果の高い食品を、科学的な根拠に基づき優先順位をつけて1990年に発表しました。デザイナーフーズ・プロジェクトです。
　そのナンバー1に上げられたのが、ニンニクです。
　ではなぜ、ニンニクにガンを抑制する力があるのでしょう？
　現在、ニンニクがガン予防に効果ある理由として考えられているのが、ニンニクに含まれる「スルフィド類」「アホエン」「S-アリルシステイン」などの成分。これらは免疫を活性化させ、増殖しようとするガン細胞を抑制するらしいのです。
　S-アリルシステインは水溶性のため、アルコールに漬け込むことで生成されます。スルフィド類とアホエンは油といっしょにニンニクを低温で加熱することで、ニンニクに含まれる「アリシン」が変化します。とくにアホエンは抗酸化作用の強い物質として注目されています。活性酸素から身を守り、免疫力をアップさせるには、ニンニクを上手に食生活に取り入れることが効果的です。

			敬遠しないで！
			ニオイこそニンニクの命

　大切なアホエンを生み出す「アリシン」とは、どんな物質でしょうか。
　元来、ニンニクは球根のままではニオイません。しかし、切ったり擦ったりすると、ニンニクに含まれていた「アリイン」という物質が「アリシン」に変化します。このアリシンこそが、ニンニク特有のあのニオイの元であるイオウ化合物の中心成分。アリシン自身にも免疫機能を強化させる、殺菌・抗菌、鎮痛、増血、強肝といった作用が認められています。
　つまり「ニオウ」から美味しく、「ニオウ」からこそニンニクパワーを人は活用できるというわけです。そう考えると無臭ニンニクというのは、じつにもったいないシロモノだということがよく分かります。

			他の成分と複合効果
			「アリシン」から生まれる幅広い効果

　「アリシン」は加熱されてアホエンとなる以外にも、じつにさまざまな効能を生みます。人の体内に入ると、ビタミンやタンパク質、脂質などと結合して、アリシン単体では持ち得なかった新しいパワーを獲得します。ニンニクが八面六臂の効果を発揮するのはそんな秘密があったからなのです。ですから、ニンニクと同時にこれらを補う食品をとることが大切です。
　また、最近では、アトピー性皮膚炎に対する臨床試験において、ニンニク+ビタミンB1を用いた入浴療法で、じつに77％もの改善効果を得られたとする報告もあり、ニンニクの持つ免疫強化パワーはまだまだ広がることが予想されます。