ビタミンの働きには、生理作用と薬理作用の2つがあります。まず、生理作用とは、ビタミン不足から病気にならないように、そして、生命を維持するために必要な基本的働きのことです。厚生省が発表している『日本人の栄養所要量』(右表)は、この生理作用が円滑に行われるために必要な最小限の量。つまり、栄養素としてのビタミンの働きです。 一方、薬理作用は、通常の所要量の数倍から時には数百倍もの大量のビタミンを摂取することで、生理作用にはとどまらない、“薬”的な効果をもたらす働きのこと。「メガビタミン」といわれるサプリメントの大量摂取法によって、病気を予防し、治してしまおうという研究が盛んになされ、多くの成果をあげています。
ビタミンには、水溶性のものと脂溶性のものがあります。水に溶ける水溶性ビタミンは、大量にとっても血液中の濃度が高くなり、必要量以上の分は尿となって体外に排泄してしまうため、摂りすぎによる心配はありません。気をつけなくてはならないのは、水に溶けにくく、尿としても排泄されない脂溶性のビタミンです。必要以上に摂ると、体の中に蓄積されやすく、過剰症を起こす心配があるので注意が必要です。 ビタミンAは頭痛や肝機能障害、Dは腎臓障害、Kは肝機能障害などが知られています。ただし、脂溶性ビタミンの中でも、Eだけは過剰症の心配がありません。
「ビタミン・ミネラルには、どんな種類があって1日にどれくらい摂らなくちゃいけないんだろう?」という、誰もが抱く疑問に答えてくれるのが、『日本人の栄養所要量』(厚生省)です。
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