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役立たずの“カス”じゃない! |
食物センイは第六の栄養素 |
五大栄養素(糖質・たんぱく質・脂質・ビタミン・ミネラル)に続く、第六の栄養素として注目される食物センイは、かつて、役に立たない食べ物のカスと言われてました。しかし、1971年に英国人医師が、多脂肪・少食物センイの食生活である欧州人と、少脂肪・多食物センイの食生活のアフリカ原住民の比較から、欧州人に大腸ガン発生の危険性が高いという仮説を提唱したことをきっかけに研究が進められ、80年代に入ると日本の厚生省も食物センイと大腸ガンとの因果関係を認め、目標摂取量を定めるに至りました。
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非水溶性食物センイが腸で働く! |
万病の元『便秘』解消で生活習慣病も防ぐ |
食物センイの足りない食生活は、あの辛く苦しい便秘を引き起こします。便秘は体に不要なものが溜まった状態で、発ガン性物質など体に有害な物質発生の原因。万病の元とも言われ、重病の温床にもなりかねません。「便秘には食物センイ」とよく言われるのは、非水溶性の食物センイが腸内細菌の分解を受けにくく、水分を吸収して数倍から数十倍にもふくれ、腸壁を刺激して腸の蠕動(食物を下へ送る運動)を活発にするためです。水分を吸収し柔らかくボリュームのある便は、スムーズな排便を促してくれます。また、食物センイは、余分なコレステロールも吸収し、腸からのコレステロール吸収を減らすので、生活習慣病(成人病)の予防にも効果大です。
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水 溶 性
食物センイ |
非水溶性
食物センイ |
糖 尿 病
予防・改善 |
◎ |
× |
高脂血症
予防・改善 |
◎ |
? |
便 秘
予防・改善 |
× |
◎ |
大腸ガン
予防・改善 |
× |
○ |
整腸作用 |
◎ |
○ |
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■食物センイの働き
高血圧、高脂血症、糖尿病、心疾患、ガンなどの生活習慣病の原因は、高タンパク、高脂肪、低食物センイといった、欧米型食生活。食物センイを積極的に摂ることで、多くのメリットがあります。
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虫歯予防
歯茎やあごを強くし、歯並びをよくする。
肥満予防・改善
よく噛むことで満腹感が得られ、過食を防ぐ。
動脈硬化・虚血性心疾患予防
コレステロールの吸収を抑制する。
高血圧の予防・改善
ナトリウムイオンとカリウムイオン食塩のナトリウムを排泄させる。
糖尿病の予防
ブドウ糖の吸収速度を緩やかにし、血糖値の急な上昇を防ぐ。
大腸ガンの予防
発ガン性物質など腸内の有害物質の排出を促進する。
腸内環境の改善
腸内の有用菌群を増やす。
便秘や痔疾の解消・予防
便を柔らかくしてかさを増やすことで腸の蠕動(ぜんどう)を活発にし、スムーズな排便を促す。
静脈瘤など、静脈異常の予防
胆汁酸を吸着し、体外に排泄する。
虫垂炎や憩室症の予防
水をため込み、かさを増やすことで腸内圧を低下させる。
環境汚染物質、食品添加物などの毒性の軽減 |
食物センイの特に必要な人
食欲旺盛で太り気味・血圧が高い・コレステロール値が高い・血糖値が高い・便秘がち・痔疾がある・野菜嫌い・肉食が大好きなど。
■50年間で10g減った食物センイ
昭和22年
1日…27g(平均) |
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現 在
1日…15g〜17g(平均) |
かつての日本人は、穀類や野菜、豆、いも、海草などを食べ、食物センイたっぷりの食生活を実践していました。ところが、近年に入り肉食を中心とした「食の欧米化」や、精製原料を使った加工食品の増加によって動物性脂肪の摂取量が増え、反比例するように食物センイはグーンと少なくなってしまったのです。
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