人間は、病的な老化で寿命を縮めていた!?
最近、テレビや雑誌などで、「アンチエイジング(医学)」という言葉がよく登場するようになりました。英語でアンチは「抗」、エイジングは「加齢」という意味ですから、直訳すれば、抗加齢(抗老化)という意味になります。
私たち人間は、年を重ねるごとに老化していくもので、それは誰も逃れられないと考えられてきました。しかし、最近の様々な研究から、その老化の針をゆっくりと進めることが可能であることが分かっています。
100歳以上の超高齢者を対象とした機能的・形態学的な研究では、諸臓器のバランスのよい生理的な老化は、多くの人に見られる病的な老化と比べて進行が穏やかであることが分かりました。つまり、老化のかなりの部分が「病的」で、アンバランスな老化であるということが分かったのです。DNA構造から推測される人間の生命学的寿命は、125余年とされていますが、人間は、その前に病的な老化によって寿命を縮めていたというわけです。
アンチエイジングは、アンバランスで病的な老化を積極的に予防し、治療することを目的としています。従来の医療が対象にしていた「病気の治療」から、「健康な人のさらなる健康」を指導するプラスの医療で、究極の予防医学、元気に長寿を享受することを目指す理論的・実践的科学なのです。
エイジングの原因を知り、早くからアンチエイジングに取り組もう!
中高年の方が、病院を訪れて体調の不良を訴えた場合、たいていの医師は、その理由の一つとして、「加齢(老化)」を挙げるでしょう。そして、それは防ぎようがないものだと…。
でも、アンチエイジングの意識の高い医師は、時の刻みと共に年は重ねても、その年齢よりも若くベストな心身を作ることを目標として治療します。
アンチエイジング医療の現場では、エイジング(加齢現象)の原因と考えられる、「ホルモンレベルの低下」「酸化ストレス」「免疫力低下」などを防ぐために、今まで医療としては積極的に介入してこなかった、サプリメント利用を含む栄養指導も積極的に行うようになってきています。
ただし、アンチエイジングは、従来の医学と違い、ドクターにおまかせでは実践できません。自分自身でこの新しい医学について理解し、食生活、運動、サプリメントの活用など、日々の生活中で積極的にエイジングと戦う必要があるのです。
「まだ若いからアンチエイジングなんて…」。と、思う方もいるでしょう。でも、医学的にみると、10代後半のようなまだ発育期と思われる時期から、カラダの一部では「衰え」が始まっているのです。ですから、いつまでも若々しく生きるためには、早くからアンチエイジングに取り組むことが大切なのです。
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